7/18石転び沢
2011/7/18 石転び沢 梶川尾根 日帰り周回
今シーズンは石転び沢からとことん嫌われているようで3度目の正直となった今回の山行、私自身もかなりぎりぎりセーフと言う感じで間に合った。その分待ちに待った石転び沢である。あー行けてよかったー!
前日は天狗平ロッジに前泊、Aikoちゃんとナギちゃんに退院のお祝いをしてもらいながら当然頂いたわけで・・・その般若湯を・・・分りやすく言えばアルコールを。5日前に手術してまだ抜糸もしてないのに・・医者からはくれぐれも自宅で療養と言う約束で前日退院させてもらったのに・・・当然山に行くなんて言ってないし、アルコールを摂取するなんて思ってないだろうし・・・絶対マネはしないで下さい。
当日4時30分には歩き始めれる様にと私が言っておきながら一番遅かったのは私、4時45分の歩きはじめとなる。夏になり緑が濃くなった温み平のブナ林の中を全員元気に歩き始める。堰堤まで30分、そしてうまい水まで30分、1時間歩いて最初の休憩をとる。途中ガクアジサイが咲いていた。冷たい水で喉を潤し10分休んで出発。彦右衛門平を抜けて沢沿いの婆マクレに入ると、蒸し暑く汗ばんだ体に川から吹く風がTシャツ越しに体温を下げてくれてなんとも気持ちがいい。夏はやっぱりこのコースに限るね~。または沢登りね、気持ちいいんだよね~。
2週間前飯豊連峰の合同山開きでは水量が多く通れなかった梶川の出合の渡渉も、ここのところの日照りで水量も少なく大高巻きをせずに難なく渡れた。だたこの川原っぷちは天候と水量で随分変わるのでよく確認してからお進みください。ともあれこの日は渡れました。暑い日だったので高播きせずに行けたのはラッキーでした。梶川の出合を越えた所で2回目の休憩。ここまで来れば石転びの出合ももう直ぐだ。梶川の出合を越えると一旦雪渓に乗るが直ぐ夏道を行く。赤滝のヘツリを慎重に超え、石転びの出合には歩き始めて約2時間で到着。青く澄んだ朝の空に白い龍のように石転び沢が昇っている様はいつ見てもいいねいいね~。ここで食事タイム。雪の無い大石の奥でしばしの休息と言いたいところだが長く休んでいると雪渓を渡ってくる風が寒い。歩けば暑いから冷たい風が欲しい、休めば寒すぎると人間はなんと贅沢なことか。でも冷房が効きすぎているのは確かだった。
さあここからが本日のメインイベント。「待ってろよ~石転び沢」とここ何日間心を躍らせていたメンバー全員、意気盛んに出発。ナギちゃんは飯豊に何度も昇っておきながらこのコースは初めて。お待たせしましたナギちゃん! ルミちゃんは小国町民でありながら飯豊そのものが初体験。もったいな~い!
隊を組んで進んで行く。先頭でみんなを引っ張るのはホーリー、竹爺は大声で注意喚起をしながら前に行ったり、後に下がったり。この辺は血液型A型の細かい気配りが見え隠れする。B型の私といったら最後尾でその様子を笑いながら見守っていた。みんなペースを揃えいい感じで登って行くと途中からDr.まっちゃんが飛ばし始めた。Dr.まっちゃんは登りで時々火がつくことがある。アドレナリンが出てクラマーズハイになるのだろう。石転びの出合から本石転びの出合まで1時間弱。なかなかのいいペース。本石転びの対岸から波を出してみる。HZUとつながった。HZUは蔵手山を登っているらしい。その後OTJと交信、今日梅花皮小屋に寄って昼食を採る旨を伝える。本石転びの出合からは斜度が若干きつくなる。クランポンを着ける様に竹爺が指導。すばらしい指導!
さて出発。相変わらずのいいペースで進んでいく。みなさんにはピッケルを抜いてもらったがストックでもこの時期OKです。ただし早い時期はこの辺からピッケルの準備をしていた方が確実です。夏場で北股の出会いから上が中ノ島が完全に出ていて最大の急斜面を雪渓を登る必要がないのでという条件付ですよ。
本石転びから北股の出合まで45分ほど。ここで最後のエネルギーチャージ。雪がある時期は本当にここからキツイです。疲れた大腿に追い討ちをかける急斜面。そしてトラバース時にブーツカバーにクランポンの爪を引っ掛けて転倒。前のめりに転べば何とか止まるものの肩から転がってザックが邪魔でうつ伏せになれず、そのままスピードがついてしまいピッケルで止める事が出来ないで数十メートル滑落。そんな場面を何回か見ています。気をつけましょう!
中ノ島がすっかり出ていて、今回はそんな事は無いもののやっぱりきついし、落石に注意が必要です。落石は落ちて来るのも、自分が落としてしまうのも気をつけてください。この日もメンバーの誰かが転がしてしまった石が雪渓に飛び出てものすごい勢いで転がって行った。「ラーク!」と下の登山者に伝えたが幸いに軌道がはずれ右岸の隅へ姿を消した。石転び沢の転がる石を実際に見たことが無かったメンバーにはあの転がる様を見ていい教訓になったろう。天狗平から梅花皮小屋まで約5時間半。ようやく梅花皮小屋に着きOTJの出迎えと冷え冷えのビールを頂く。みなさんゴクゴク呑みますね、喉を鳴らしてゴクゴク、ゲフッ、ゴクゴク、グフォーッ。
今日の昼食は冷麦だ。竹爺が全部用意してくれた。ゴチになります。「んまーい!」。治二清水でギューッと〆た冷麦を納豆、ネギ、オクラ、シソ、サバカンそれぞれの好みで混ぜて味を変えながら頂く。普段はなんとも無い食事がこんなに美味しいのはやっぱり山の醍醐味、何も無い不自由さの中にある「普通」と言う贅沢なのだろう。1時間以上の大休憩。少々動くのがイヤになってきた。というか今日ここに泊まりたい。
動きたくない気持ちを奮い立たせ北股岳に向かう。マッタリとした後の登りはなかなかのものだ。心拍数が急激に上がり息が切れる。登りで約30分、北股山頂ではザックは下ろさず、立ち休みで記念写真だけパチリ。雷注意報が出ていて心配なので先を急ぐ。北股山頂から下り始め中腹ぐらいでニッコウキスゲの群生に迎えられる。みなカメラを取り出し代わる代わるにパチリ。「じつに良い日だ」と誰もが思ったに違いない。ギルダ原を超え1時間30分弱で門内小屋に到着。ここで小休止。ルミちゃんの大腿筋が悲鳴をあげ始めてきたらしい。無理もない。初飯豊でこの日帰りコースじゃ。まして普段から山を登っているわけではないのだから。丸森尾根を下ろうかなんて話もあったが予定通り梶川尾根を下った方が良さそうだ。とりあえず扇の地紙まで様子を見ることにした。門内小屋から扇の地紙まで30分くらい。どうも足の方がパンクしていそうだ。梶川尾根を下ることに決定、それでも本人はだいぶ辛い下りになるだろうがそんな事を聞いたら気持ちも萎えるだろう。黙っていてあとは騙し騙し本人に頑張ってもらうしかない。とりあえず梶川峰までホーりーにゆっくりめに引っ張ってもらう。梶川峰までは大丈夫そうだ。休憩を取りながらみんな水分補給。雪渓と違い稜線はやっぱり暑い。梶川峰からは斜度がきつくなってくる。膝が笑って辛いはずだがルミちゃんは弱音を吐かずに五郎清水まで普通のペースで歩いた。五郎清水で水採りをしながら長めの休憩と取る。充分とは言えないもののやや回復したかと歩き出したがここからの急な下りは確実にルミちゃんのペースを奪った。足が動かなくなってきている。ペースはゆっくりでいいから滝見場では休まず先に進むことにする。本人には過酷だが休むと心が折れてしまって動けなくなる事の方が心配だった。HZUも以前歩けなくなった同行のメンバーにゆっくり休まずに動ける限り歩かせ、完全にパンクしたら一休み、そしてまた完全にパンクするまで頑張らせる。心が折れないように励まし、「ゆっくり休まず歩く」を繰り返しながら下りてきた覚えがある。ルミちゃんには可愛そうだったがこの方が正解だと思った。とうとう湯沢峰手前の登り返し手前で完全にパンク。大腿筋、大臀筋のストレッチを念入りに行い回復を待つ。登りの筋肉と下りの筋肉は使い方が違うので湯沢峰の登りは割とスムーズに通過。湯沢の肩からの下りはだいぶ辛かったと思う。楢の木曲りまで来た頃には膝を曲げた状態で踏ん張りが完全に利かないくらいだった。竹爺がザックの一部分を持ちサポートしながらの下りだいぶ辛く時間も掛かったが無事天狗平まで到着することが出来た。みんなで励ましながらの到着でチームワークの良さを感じる山行だった。ナギちゃんも日帰りの周回でだいぶ疲れたことだろう。ご苦労様でした。でもその分楽しかったでしょう?Aikoちゃんも日帰りと言うことで初めは心配していたけど歩けば歩けるもんでしょう?ルミちゃんこれに懲りずにまた一緒に登りましょうね。竹爺かーちゃん明るい雰囲気作りアリガトさんでした。
写 真
温み平から目指す梅花皮小屋を望むが・・・ |
元気一杯 歩く |
アジサイに励まされながら |
川から吹く風がなんとも気持ちいい |
滝沢 |
梶川の出合を渡渉しクリアー |
梶川の出合で一休み |
石転びの出合と石転び雪渓 |
若い女性と一緒だと竹爺の話は終わらない |
雪渓を登り始めます ここからが本番 |
本石転びの出合 |
本石転びの出合対岸で一休み |
雪渓を途中から見下ろす 遠くに見えるのは朝日連峰 |
中ノ島も花盛り |
中ノ島を登る |
北股岳は青空とよく似合う |
帰りとなる梶川尾根 |
ナギちゃん&Dr.まっちゃん |
Aikoちゃん 後にいる数名はおまけ |
じゃなくてホーリー、Dr.まっちゃん、ルミちゃん |
竹爺は記念写真を必ず要所要所で撮る |
北股岳西面の中腹はニッコウキスゲの群生がドンピシャのタイミングだった |
ニッコウキスゲも色あせる美女3名 |
下りてきた北股岳を振り返る |
胎内山へ向かう道から門内小屋を振り返る |
扇の地紙からはチングルマが群生 |
梶川峰に向かって進む |
無事到着 |