3/17餓鬼山
2012/03/17 餓鬼山
さほど早い時間と言うわけでもないが目覚し時計に叩き起こされてもなかなか体が目覚めない。どうやら前日 個人的に面白くない事があり、心が不安定なまま思い出したくも無いあいつの顔を思い出す度、怒りに任せヤケ酒を飲んだのが効いている様だ。(俺も心が青いな!)
朝食はとても採れそうも無い。こうしては居られない、今日は竹爺を迎えに行く約束になっている。荷物を無造作にジムニーに詰め込み竹爺宅に向かう。予定よりもだいぶ早く着きそうなので職場に寄り時間を調整したがそれでも30分ほど早く竹爺宅へ。「随分 早いな~」そりゃそうだよな! まっ 遅いよりはいいでしょ!!
この日は予報で午後から天気が崩れるらしい。腕時計の気圧計も下がり続けている。早速二人で登り口近くまで向かう。車を止めたのは小国町北部小中学校。小中学校ってのが良いでしょう?小学校と中学校が一緒なんです。小学校を卒業してもまた2週間後には同じ学校へ通学するんです。おっと その話はまた後で!
車を止めた近くから太鼓沢に沿って歩き始めたのが8時ちょっと過ぎ。暫くは尾根の取り付まで川沿いの雪に埋もれた林道を歩く。だいぶ雪崩れた所が出始めているようだ。危険と思われるところは遠巻きに避け歩くこと1時間強で尾根の取り付きへ到着。ここでオニギリを食べながら一本入れる。ここまで私はスキーで歩いてきた。そんで竹爺はワカンで・・・ いつもはパワフル竹爺に離され、置いてきぼりになるのだが今回は勝手が違うようだ。基礎体力がはるかに劣る私でさえ、汗一つかく事無くパワフル竹爺よりだいぶ速く歩け、途中で待つ余裕さえある。体力が無い穴埋めは道具でなんとかなるな こりゃ。竹爺ははるか後で汗びしょびしょ。竹爺でさえあんな状態だから俺もワカンだったら・・・考えないようにしよう。以前ここをスノーシューで歩いたことはある。辛かった!
さて杉林の尾根に取り付いたのが9:15。竹爺は地図とコンパスで、私は地図とGPSで確認しながら先頭を交換し登っていく。5年前HZUと同じコースを登った時はHZUの知識と経験から私はろくに地図で確認することも無く付いて行った。今回は二人とも必要以上に地図で現在地の確認を怠らない。これが普通なんだろうが経験が豊富な先輩達と登ると自分で考えることはせずに、どうしてもお任せ状態になるので改めて反省。
杉林の急登を抜け、ブナ林に出るとやや落ち着ける。尾根を一回スイッチし細尾根を詰めると407mのピークだ。ここまで尾根とり付きから約一時間。何?まだ10時そこそこなのにポツリポツリと・・・降ってきたぜ・・しかも 雨・・・
ペースはかなりいい。山頂までなんとかこのままもてばいいのだが。
ピークでは現在位置とこれから進むコースを二人で確認するだけで休まずGO。407mのピークを過ぎると尾根がだいぶ痩せてくる。登りは急ではないが安全なところを見つけハーネスを着け、ロープを出す。互いに先端をエイトノットでつなげば晴れて二人は名実ともにザイルパートナーと言うことに。結んだロープがへその緒みたいでなかなかいいじゃありませんか。でも長すぎるロープは互いに肩に回し、更に締まらないようにインクノットで正面のカラビナに固定して7mほどのロープ長を残して二人で同時登はん。暫くはこれで進む。いよいよヤバクなった所から1人が確保し、もう一方がビレーを取りながらリードで進む、いわゆるスタッカートにてルートを切っていく。がここに来てペースがガクッと落ちた。仕方ないことだ。竹爺はロープワークが練習を含めこの日が2回目。未熟ではあるが私がシステムを説明し進むがなかなか巧くいかないようだ。思い出すなぁ、焦りながら迷惑を掛けまいと必死でやろうと思うんだけどなかなか巧くいかず、ますます焦って言い訳をしてたあの頃・・・
誰でも通る道 頑張ろうぜ竹爺!
ロープワークに手こずる竹爺 とうとう気持ちが切れた。竹爺にしては珍しく弱音を吐き始めた。そこで自分に優しく他人に厳しい私は竹爺にこう言った「もう止める? 山頂直ぐそこなのに」
自分にストイックな竹爺の性格からしてこの様に言われると「わかった まだ やる!」
折込み済みだぜその台詞!今日の山登りは完全に俺がコントロールしてるな。確保している右手に力を込め、遠く空を仰ぎ見るバーボンTakedaでした。
とはいえだいぶ時間が掛かったことと降り続く雨、ほんとに県境の稜線まで50m~70mを切るくらいの場所で二人で話し合い雪崩れる危険等を鑑みればここを今日の最終地点と決めた。餓鬼山に二人で登りたかった気持ちはあったが主たる目的は竹爺のロープワークの練習、今日の目的は充分果たせた。ロープで二人をつないだまま下山開始。このとき12時50分、雨は相変わらず二人に降り続けているのでした。身長が足りない二人はザックと合羽さえ着てなければ雨に打たれながら餌を探す兄弟猿に見えたことでしょう。車を止めた北部小中学校にずぶぬれで着いたのが2:30。加齢で頭頂部の薄くなった二人は猿の兄弟から中年のカッパの兄弟へと変身していたのでした。
写 真
ここから歩き出します 林道は雪の中でどこにあるのか分りません |
「今日は 餓鬼山を攻めるぜ」意気込む竹爺 |
ほほー あちらこちらで雪崩れも始まっているようです |
いつもは竹爺においていかれるがスキーのおかげで楽に歩くことが出来た |
ところどころ春の兆しが感じられる |
杉林を抜けると緩斜面に入る 尾根は次第に痩せてくる |
407mピーク付近から餓鬼山を望む |
ピークを過ぎたところでハーネスを着ける |
いよいよナイフリッジの尾根に差し掛かる 写真では分らないが左右は崖 |
竹爺 手こずりながらも頑張ってます |
もう直ぐ稜線だ頑張ろう竹爺!! |
登ってきた尾根を振り返る |
ここまで(赤丸)登って引き返しました |